Profile
「時間や音楽、人の行動や思考、状況の揺らぎ、芽吹いては枯れる植物など、刻一刻と変わり続ける出来事への関心、つまりは生きている中で絶え間なく感じ続けている流動的なリアリティを絵画においてどのように表現し語ることができるのか」このように考える上田は、再現や表象としての絵画ではなく、何かの事象が変質・変容していく過程やその瞬間、あるいはその成り行きとして現れてくるような絵画のあり方に関心を寄せる。作品ごとに多彩なスタイルや筆致を持ち合わせる画面は下絵を決めずに描き出され、一つ一つの筆づかいが次の質や色を導きだし、その時々の上田の思考や興味に合わせて制作が進められる。絵画全体へと広がっていくその連続した行為は、絵画内部に流動的な時空間を作り出し、絶えず移り変わりゆく世界のあり方を彷彿とさせる。
1983年京都市生まれ、2006年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。2018年ポーラ美術振興財団在外研修員(ベルギー)。主な個展に「絵画が画家の寝顔を見る時」(第一生命南ギャラリー、東京、2015年)、「ARKO2012/上田暁子」(大原美術館、倉敷、2012年)、「世界は大きな花束でもある」(清須市はるひ美術館、清須、2009年)、グループ展に「ネオヴィジョン新たな広がり」(信濃美術館、長野、2017年)、「VOCA展2011」(上野の森美術館、東京、2011年)。
https://yukatsuruno.com/gallery/artists/akikouedaより抜粋