1962年、240個のドラム缶を積み上げて壁を作り、パリのヴィスコンティ街の通りを遮断するプロジェクト「鉄のカーテン、ドラム缶の壁」を実現するが、これは学生たちが機動隊に対してバリケードで街路を封鎖した1968年5月危機を予兆するものであった。合衆国建国200周年記念出版の版画集には、リキテンスタイン、ラウシェンバーグら代表的画家13人の作品が集められこれはその1点。とてつもないプロジェクトのドローイングを版画にしたものだが、ボール紙のような厚紙に刷られその上にドラム缶の部分がもう1枚の厚紙に刷られて重ねられている。一種のコラージュだが重厚な質感が紙とは思えない存在感を生み出している。